あらゆるプロセスでお客様をご支援します。
・設計、調達、製造 どの切り口からでもご対応します。
・それぞれのプロセスにおいて、OKI製品のモノづくりで培った高い品質をご提供します。
異物分析を実施した事例をご紹介します。
当社では異物分析に必要な設備を導入し、即日分析対応が可能な体制を構築しています。
走査型電子顕微鏡/蛍光X線元素分析装置(SEM/EDS)およびフーリエ変換赤外分光分析装置(FT-IR)を使用して、異物の定性分析を行います。
SEM/EDSでは、サンプルの高倍率観察と元素分析が同時に実施できます。FT-IRでは有機物の定性分析が可能です。
社内設備の外観を下記に示します。
今回ご紹介するのは、お客様から依頼を受けて樹脂コーティング基板のコーティング膜に付着した異物の分析事例です。
これが今回の異物です。外観は白色でSEM写真からゴツゴツとした粒子状物質であることがわかりました。
上のグラフはFT-IRで分析した赤外線吸収スペクトルです。
青線で示した異物からは無機物特有の低波数側の赤外吸収を観測しました。
赤線は、スペクトルライブラリーに登録されたものの中から最も一致率が高いと判断された物質の赤外吸収スペクトルです。
その物質は炭酸カルシウム(CaCO3)であることが示されました。
そこで、この異物が炭酸カルシウムであるかどうか、構成元素を分析して確かめることとしました。
元素を特定するためにはSEMに付属している元素分析装置を用いることで可能となります。
無機物の分析に強いSEM/EDS分析を実施し、炭酸カルシウム(CaCO3)であることが確認できました。
CaCO3は壁材に使用されていると事が多く、壁材が基板上に落下しコーティングに付着したと考えられます。
EDS分析結果
今回の分析事例では異物の推定ができました。
異物分析作業は年間数十件を社内対応しており、外部機関に分析依頼することに比べて迅速に結果がわかるため、早期品質対策に貢献できると感じています。お気づきの点がございましたら、是非ご相談ください。